プール熱
プール熱(咽頭結膜熱)とは、子どもに多い夏風邪の一種で、発熱・のどの痛み・目の充血が主な症状です。アデノウイルスに感染することで起こります。
主に幼児から学童にかけて多く見られ、感染力が非常に強いため、学校や保育施設などで集団感染が発生しやすい病気です。例年7〜8月に流行のピークがあり、プールを介した感染が多いことから「プール熱」と呼ばれていますが、近年は冬にも小規模な流行が見られます。
原因
アデノウイルスの中でも特定の型(3、4、7、11型)によるものです。
感染経路は以下の2通りです。
- 接触感染:目やにや便など感染者の分泌物を介して感染する。
- 飛沫感染:咳やくしゃみなどを浴びることで感染する。
アデノウイルスはアルコール消毒や高温にも強いため、予防には特に注意が必要です。
症状
主な症状には、以下のものがあります。
- 39度近い高熱
- 喉の痛みや発赤(咽頭炎)
- 目の充血、目やに、涙が多くなる(結膜炎)
この他にも、頭痛、食欲不振、体のだるさ(倦怠感)などが現れることがあります。
診断と治療
プール熱の診断は、現れている症状とウイルスの検出によって行われます。
ウイルスの検出は、血液検査や簡易診断キットなどで行われます。感染の初期でウイルス量が少ない場合には、検出が困難な場合もあります。
治療は、主に以下のような対症療法になります。
- 熱や痛み:解熱鎮痛剤
- 目の充血や痒み:抗生剤やステロイド、抗ヒスタミン薬入りの点眼薬
ウイルスに直接効く薬はありません。
安静にして体力が回復すれば、自然に自身の免疫力によって治ります。免疫力を上げるため、十分な栄養補給と睡眠・休養を行いましょう。脱水状態に陥りやすくなるため、こまめな水分補給も心がけてください。のどの痛みがあることを考慮して、刺激のない麦茶やスポーツ飲料を飲ませることをおすすめします。
水分補給に関しては、嘔吐・下痢時の水分補給のポイントもご参照ください。
プール熱にかかった時の注意点と対処法
ウイルスの潜伏期間は5~7日間で、感染力は強いです。症状が消失した後もウイルスを排出するため、症状が収まっても2日間は登園・登校が禁止されています。
家庭内の感染を防ぐためには、以下の点に注意しましょう。
- 流水と石けんでしっかり手洗いをする
- マスクを着用する
- タオルや食器の共有をやめる
- 目やにや鼻水を拭くときはティッシュを使用し、すぐ廃棄する
- 消毒には次亜塩素酸ナトリウム(キッチンハイターなど)を希釈して使用する
- 入浴の順番を最後にする
プール熱は重症化することは稀ですが、感染力が強いため、家庭内や集団生活の場での注意や対策が必要な病気です。
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