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リンゴ病(伝染性紅斑)

リンゴ病は、主に小児に多く見られるウイルス性の感染症です。頬が赤くなる特徴的な発疹が見られることから「リンゴ病」と呼ばれています。医学的には「伝染性紅斑(でんせんせいこうはん)」と呼ばれ、5〜15歳の子どもに多く発症しますが、大人が感染することもあります。通常は軽症で済みますが、妊婦さんや基礎疾患のある方は注意が必要です。

原因

リンゴ病の原因は「ヒトパルボウイルスB19」というウイルスです。
感染経路は、以下の2通りです。

  • 飛沫感染:感染した人の咳のしぶき(飛沫)を吸い込むことによる感染
  • 接触感染:感染した人に直接触れたり(抱っこなど)、ドアノブや手すりなど汚染されたものを介して起こる感染

発疹が現れる前の、かぜのような症状がある時期(潜伏期間後の1週間程度)に最も感染力が強く、発疹が出る頃には感染力はほとんどなくなります。

症状

感染から約10~20日の潜伏期間を経て、以下のような症状が現れます。

  • 初期症状:微熱、倦怠感、頭痛、軽い咳など、かぜに似た症状。
  • 典型的な発疹:両頬に蝶の羽のような赤い発疹(紅斑)が現れます。その後、腕や太ももなどにもレース状や網目状の発疹が広がることがあります。これらの発疹は、1週間程度で消失します。
  • かゆみ:発疹にかゆみを伴うこともあります。

成人が感染した場合、アザのような紫斑や、関節痛を伴う関節炎などの症状が現れることがあります。子どもより重症化しやすい傾向があり、注意が必要です。

治療

リンゴ病に特効薬や特別な治療法はありません。ウイルス感染症のため、症状を和らげる対症療法が中心となります。
安静にして、水分補給をすることが重要です。熱や痛みがある場合は解熱鎮痛剤を使用しましょう。ほとんどの場合は自然に回復します。

自宅での対処法

  • 安静に過ごす:睡眠をしっかりとり、体力の回復を図ります。
  • 水分補給:発熱時には脱水症状にならないよう、十分な水分補給を心がけます。
    水分補給の方法については、嘔吐・下痢時の水分補給のページをご参照ください。
  • 皮膚のケア:かゆみが強い場合は冷やしたり、医師の指導のもとでかゆみ止めを使用します。
  • 保湿:乾燥によってかゆみが悪化することがあるため、保湿剤を使用するのもよいでしょう。

注意点

妊婦への感染

妊婦さんがリンゴ病に感染すると、胎児に重い影響を与えるリスクがあります。流産や胎児水腫を引き起こすこともあります。妊婦さんが感染した場合、胎児の異常が30.6%、胎児の死亡が10.2%起こると言われています。
流行時期には、人混みや小児施設への訪問を避けるなどの配慮が必要です。かぜ症状がある人との接触をできる限り避け、手洗いやマスク着用などの基本的な感染対策を心がけましょう。

基礎疾患のある人

ステロイドや免疫抑制剤を内服している方、白血病や溶血性疾患の方などがリンゴ病にかかると、重症化したり重篤な合併症を引き起こすことがあります。

感染拡大の防止

発疹が出る前がもっとも感染力が強いため、症状が出た時点ではすでに他人にうつしている可能性があります。ただし、発疹が出た後は登校や登園を控える必要はないとされています。
かぜ症状のある人は、こまめな手洗いや咳エチケットなどの感染対策を徹底してください。

リンゴ病は多くの場合、軽症で済み自然に回復する病気ですが、妊婦さんや特定の持病がある方にとってはリスクのある感染症です。流行時期には手洗いや咳エチケットを徹底し、予防に努めましょう。

【お気軽にご相談ください】

恵比寿こどもクリニックでは、小児科専門医・アレルギー専門医の保科しほ院長を中心に、『共育て』をモットーに診療を行っています。日々子育てに悩むご両親と同じ目線で、お子さんの病気や健康の問題に向き合うことはもちろん、ご両親の支援にも積極的に取り組んでいます。

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(厚生労働省『伝染性紅斑』のページ
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/fifth_disease.html )

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