咳の対処法
お子さんが咳をすると保護者の方は心配になりますが、子どもによく見られる症状の一つです。咳は、ウイルスや花粉、ホコリなどの異物を排除するための体の防御反応です。
咳が出る原因には、風邪やインフルエンザなどの感染症、アレルギー、喘息、気管支過敏症などがあります。
以下の記事では、受診の目安や、お子さんが咳をしたときに行うべき対処法などを解説します。
子どものかぜ、喘息、アレルギーに関しては、こちら(3つ)の記事もご参照ください。
受診の目安
熱がなくてもひどい咳が続く場合などは、医療機関の受診を検討してください。
その他にも、以下のような症状がみられる場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
- 咳が1週間以上続く場合
- 呼吸が苦しそう
- 「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という音が聞こえる
- 夜間の咳がひどくて眠れない
- 嘔吐や発熱を伴う
- 咳が日ごとに悪化している。
熱がないのに咳が止まらない場合
熱がなくても咳が出る場合は、アレルギーや喘息、後鼻漏(鼻水が喉に流れる)、気管支の過敏な状態などの原因が考えられます。
この場合、以下の対策が効果的です。
- 部屋の加湿や掃除で室内環境を整える
- 水分補給
- うがい など
夜だけ、または朝方だけ咳が出る場合
咳が特定の時間帯(朝や夜)に限定して現れる場合、副鼻腔炎や胃酸の逆流、アレルギー、喘息などの可能性があります。アレルギーなどの場合、寝具や部屋のホコリが原因になることもあります。
この場合、以下の対策が効果的です。
- 枕を高くして寝る
- 部屋の加湿や掃除
咳が長期間続く場合や、他の症状がみられる場合は、医療機関を受診してください。その際、咳のタイミングや状況を記録しておくと役立ちます。
咳がひどい時に自宅でできる対処法
自宅で一時的にでも対処したいという場合は、以下の方法を試してみてください。
- 加湿:室内の湿度を50~60%程度にする
- 水分補給:温かい飲み物や白湯で喉を潤す
- 体位の工夫:上体を起こす、枕を高くして寝る
- 鼻水ケア:鼻をこまめにかむ、吸引する
- 蒸気浴:お風呂場でシャワーの蒸気を使って喉を湿らす
- アレルギー対策:部屋の掃除や空気清浄機の使用
市販の咳止め薬を使用する場合は、年齢と症状に合ったものを選んで用法・用量を守って使用するのであれば問題はありません。ただし6歳未満の子どもに使用する場合は、必ず医師の指導が必要です。予期せぬ副作用や過剰反応が起こる可能性があるためです。
咳の原因がはっきりせず長引く場合は、医療機関を受診してください。
ゼーゼー・ヒューヒューという音が聞こえる場合
ゼーゼー・ヒューヒューという音は気道が狭くなっているサインです。喘息や気管支炎の可能性があるため、医療機関を受診すべきです。
特に以下のような症状がある場合は、夜間でも救急車を呼んで対応してください。
- 呼吸困難:呼吸が浅い・速い、息を吸うのに肩や胸が大きく動く
- 唇が青紫色になる(チアノーゼ)
- 意識障害:目の焦点が合っていない、呼びかけに反応がない、ぐったりしている
迷った時は、地域の医療相談窓口や、小児救急医療電話相談(#8000)、救急相談センター(#7119)に連絡して症状を伝え、受診が必要かどうか相談することもできます。
咳がひどくて食事が進まない場合
咳がひどくて食事が進まない場合は、無理に食べさせようとせず、以下のことに気をつけてください。
- 少量ずつにして、食べる回数を増やす
- スープやゼリー、プリンなど液体や半固形食を用意する
- 咳き込みを減らすため、食前に鼻水を吸引する
- 食事よりも水分補給を優先する
特定の季節だけ咳が出る場合
春や秋など特定の季節にだけ咳が出る場合は、季節性アレルギーの可能性があります。夏や冬でも、ダニやハウスダスト、カビが原因になることがあります。皮膚科や耳鼻科でアレルギー検査を受けると、原因が特定できます。
花粉やホコリ対策には、以下の対策が有効です。
- マスクの着用
- 鼻うがいや喉のケア
- こまめな部屋の掃除
- 空気清浄機や加湿器の使用
- 洗濯物の部屋干し
- 室内にぬいぐるみやクッションを置きすぎない
- 観葉植物を控える
- カーペットやラグなど、布製の家具の使用を控える
医療機関を受診すれば、抗アレルギー薬や吸入薬を処方してもらうこともできます。
咳がある時、学校や保育園に通わせてよいか
咳があっても元気で、感染症でなければ登園は可能ですが、喘息発作や強い咳がある時は休ませましょう。感染症の可能性があるかは、発熱や鼻水、全身症状、家族や園での流行などを参考にしてください。心配な場合は医療機関を受診しましょう。
咳がぶり返す、繰り返す場合
咳が繰り返される場合や長引く場合には、以下のことが考えられます。
- 別のウイルスや細菌の再感染
- 気管支炎
- アレルギーや喘息
- 気管支過敏症
- 胃食道逆流症 など
特に咳が3週間以上続く場合は、アレルギーや咳喘息の可能性もあるため、医師の診察を受けることが必要です。
咳が急に現れ、アレルギーや喘息といった診断がつくことは珍しいことではありません。
感染症がきっかけとなる場合や、環境や生活習慣の変化、天候や季節をきっかけに、免疫システムのバランスが崩れて潜在的な喘息が表面化する場合もあります。
お子さんの状態を注意深く観察して、適切な対応を取るように心がけましょう。心配な場合は、医師に相談してください。
【お気軽にご相談ください】
恵比寿こどもクリニックでは、小児科専門医・アレルギー専門医の保科しほ院長を中心に、『共育て』をモットーに診療を行っています。日々子育てに悩むご両親と同じ目線で、お子さんの病気や健康の問題に向き合うことはもちろん、ご両親の支援にも積極的に取り組んでいます。
より良い医療を追求するために、東京と神奈川を中心にコミュニティ・クリニックを展開している医療法人社団こころみから、運営サポートを受けています。
地域密着型のかかりつけ小児科クリニックとして、お子さんの成長を共に見守っていくことを目指しております。
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