夜尿症
夜尿症(おねしょ)とは
夜尿症(おねしょ)は、5歳以上の子どもが1か月に1回以上、夜間に尿を漏らす症状が3か月以上続く場合に診断されます。多くの子どもは小学校に上がる頃までに夜尿が解消されますが、7歳の時点で10%程度の子どもがまだ夜尿をしていると言われています。年齢が進むにつれて、思春期を迎える頃には自然に解消されるケースも多いですが、15歳を過ぎても改善しない場合もあります。そのため、小学校までに解消しない場合は、小児科や泌尿器科を受診することが勧められます。
夜尿症のお子さんは自尊心が低下したり容姿に自信を持てなくなることが多いため、適切な治療が重要です。
夜尿症の分類
夜尿症は、「一次性夜尿症」と「二次性夜尿症」に分けられます。
- 一次性夜尿症:6ヶ月以上夜尿症が消失した時期がない場合
- 二次性夜尿症:一度夜尿が治まった後、6ヶ月以上経過して再発する場合
二次性夜尿症は、生活上のストレスや精神的な問題が関与している場合が多く、これらの要因を解消することで治療が進むことがあります。また、尿路疾患など他の病気が原因となることもあります。
夜尿症はさらに、「単一性夜尿症」と「非単一性夜尿症」に分類されます。
- 単一性夜尿症:夜間のみの尿失禁が問題となります。
- 非単一性夜尿症:昼間の尿失禁や尿意切迫感、排尿困難などが伴います。
昼間の症状がある場合には治療方法が異なるため、正確な診断が重要です。
夜尿症の原因
夜尿症の原因としては、主に3つの要因が考えられます。
① 睡眠からの覚醒能力の欠如:夜尿症のお子さんは睡眠中に目覚めにくいため、尿意を感じても起きられず尿失禁を起こします。
② 膀胱の畜尿能力の減少:膀胱に溜めることのできる尿量が少ないことも関与しており、容量を超えると夜尿をしてしまいます。
③ 夜間多尿:夜間に尿が多く生成されることが原因となる場合もあります。
夜尿症の治療
夜尿症の治療には、生活指導や行動療法が第一に行われます。
- 生活指導:就寝前にトイレに行くことや、睡眠2〜3時間前の水分摂取の制限、食事制限(特に塩分やカフェイン、乳製品の摂取制限)が推奨されます。
これらの方法で効果が見られない場合、以下の2つの治療法があります。
- 薬物療法(デスモプレシン):デスモプレシンは尿の生成を抑える薬で、就寝前に投与することで夜間の尿量を減少させます。しかし、この治療には水分制限が必要です。
- アラーム療法:夜尿時にアラームを鳴らして目覚めさせる方法です。これを継続することで、朝まで夜尿をしないようになり、睡眠時の膀胱容量が増加すると考えられています。
治療の際には、医師に夜尿の頻度や昼間の症状、排尿の回数、生活リズムなどを伝えることが大切です。場合によっては、尿検査や血液検査を行い、糖尿病や尿路感染症などの他の病気が影響していないか確認することもあります。
また、夜尿症の治療には家族の協力も重要です。特にアラーム療法では家族が協力してお子さまを起こす必要があるため、モチベーションを高めて治療に取り組むことが大切です。
夜尿症の治療は、子ども本人と家族の協力のもとで進められるべきであり、適切な方法を選ぶために医師と相談しながら治療を進めることが望まれます。
5歳以上のお子さんには、「おねしょ卒業プロジェクト」もご案内しています。
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