溶連菌感染症
溶連菌感染症とは
溶連菌感染症は、溶血性連鎖球菌という細菌によって引き起こされ、主に3~10歳の子どもに多く見られますが、大人でも発症することがあります。特に冬から春にかけて流行し、飛沫感染や接触感染で広がります。くしゃみや咳などで空気中に放出された飛沫を吸い込むことや、手やタオルなどを介して飛沫に接触することで感染します。
発症までの潜伏期間は2~5日です。
主な症状は、以下の通りです。
- 38~39度の高熱
- 喉の痛み
- 首リンパ節の腫れ
- 扁桃腺に白い付着物が現れる
子どもの場合には、舌の赤いプツプツ(イチゴ舌)や全身の発疹が現れることがあります。発疹は全身に広がり、解熱後に皮膚が剥けることがありますが、手のひらや足の裏には発疹は現れません。
感染経路と予防
溶連菌は感染力が強く、発症した場合は治療開始後24時間経過するまで登園・登校を控えることが推奨されています。家庭内での感染拡大を防ぐため、手洗い・うがいやマスク着用を徹底し、タオルや食器を共有しないことが重要です。
診断方法
溶連菌感染症は症状や地域での流行状況をもとに、簡易検査キットを用いて診断されます。喉の奥から綿棒でサンプルを取り、迅速に診断を行います。
治療法
治療は抗生剤の内服が中心で、ペニシリン系やセフェム系抗生剤が使用されます。
内服を開始すると、通常1~3日以内に解熱し、症状が改善します。
処方された薬は必ず飲み切ることが重要で、途中で中断するとリウマチ熱や腎炎などの続発症を引き起こす可能性があります。
抗生剤の内服は、
- ペニシリン系なら10日間
- セフェム系なら7日間
の服用が必要です。
また、アレルギーがある場合はマクロライド系抗生剤が使用されます。
続発症と予後
治療後、症状が改善してもリウマチ熱や急性糸球体腎炎などの続発症が起こることがあります。そのため治療後1ヶ月後に尿検査を行い、腎炎などの兆候がないか確認することがあります。
腎炎が発症すると、むくみや血尿、頭痛などの症状が現れますので、早期に医師に相談することが重要です。
劇症型溶連菌感染症
劇症型溶連菌感染症は、溶連菌が血液や深部組織にまで広がり、敗血症や多臓器不全を引き起こす非常に重篤な病態です。この病型は急速に進行し、命に関わる危険があります。一般的な溶連菌感染症とは異なり、発症時から症状が重いのが特徴です。
治療後の対応
溶連菌感染症にかかると、食事量が減り、発熱による脱水症状が起こることが多いため、解熱鎮痛剤を使用して体調を整えることが検討されます。十分な水分補給を心がけ、体調を見守ることが重要です。
溶連菌感染症は、早期の抗生剤治療が重要で、治療を継続することで症状は改善し、合併症のリスクも減少します。感染拡大を防ぐために家庭内での感染予防に努め、治療後は続発症の有無を確認することが推奨されます。
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