発熱時の疑問Q&A
お子さんが発熱することはよくありますが、保護者の方は不安になるものです。
しかし発熱とは、体の免疫がウイルスや細菌と戦っている証拠です。体温が上がることで免疫が活性化し、病原体の増殖が抑えられます。発熱自体は悪いものではなく、体が回復するための大切な働きなのです。
特に子どもの感染症では特効薬がない場合も多く、子どもの免疫力に頼る自然回復が基本になります。そのため、子どもが比較的元気で食事もとれる場合は、無理に熱を下げる必要はありません。
ただし、以下のような症状がある場合は、体が戦うのに疲れてしまっている可能性があります。熱を下げたり医療機関を受診する必要があります。
- 熱が高すぎる場合
- ぐったりしている
- 食べたり飲んだりできない
しかし医療機関を受診させるべきか、どのような対応を取ったらよいのかなど、判断に迷うことが多いと思います。以下の記事では、子どもの発熱に関してよくある疑問にQ&A形式で解説していきます。
Q1. 何度の熱で病院へ行くべき?
以下にあてはまる場合は、受診した方がよいでしょう。
- 38.5℃以上の高熱が続いている場合
- 生後3ヶ月未満で37.5℃以上の発熱がある場合(すぐに受診)
- ぐったりしている、呼吸が苦しそう、けいれんがある場合
- 食欲不振や脱水症状(おしっこの回数が少ない、唇の乾燥)が疑われる場合
受診のタイミングは、体温だけではなく子どもの全体的な様子・状態で判断しましょう。
発熱していても比較的元気な場合には、すぐに受診する必要はありません。逆に受診のタイミングが発熱して間もないと、体内の菌やウイルスの量が少なく、検査で正確に特定できない場合があります。発熱してから12~24時間程度経過すると、検査結果がより正確に反映されることが多いです。
Q2. 夜間でも受診すべき?
意識がもうろうとしている、けいれん、呼吸困難など重い症状があれば、夜間でも受診しましょう。それ以外は翌朝の受診で大丈夫なことが多いです。
心配な場合は、小児救急医療電話相談(#8000)や救急相談センター(#7119)に連絡して、適切な判断を仰いでください。
Q3. 解熱剤はいつ使う?
38.5℃以上の発熱があって、子どもがつらそうな場合には解熱剤の使用を検討しましょう。ただし解熱剤は症状を和らげるもので、病気の治癒を早めるものではありません。
Q4. 熱があるときにお風呂に入れても大丈夫?
元気があれば、短時間のシャワーであれば問題ありません。ただし長時間の入浴や、熱いお湯は避けましょう。絞った温かいタオルで体を拭くことなどをお勧めします。また、体を冷やさないよう注意しましょう。
Q5. 寝具や室温はどうしたらいいですか?
室温20〜22℃、湿度50〜60%が理想です。基本的には、本人が寒く感じないようにしてあげましょう。
厚すぎる布団や重ね着は体温をさらに上げてしまう可能性があるため、軽めの布団を使用しましょう。熱の上がり始めで、手足が冷たいときやガタガタ震えるときは、布団をかけて体を温めてあげましょう。
Q7. 食欲がないけど食べさせるべき?
無理に食べさせず、水分補給を優先してください。子どもが食べたいものを少しずつでOKです。
水分がとれない場合は、経口補水液、薄めたスポーツドリンク、白湯や麦茶などを、スプーンやストローを使って、少量ずつこまめに与えましょう。
ジュースなどの甘い飲み物を欲しがる場合は、適度であれば問題ありません。ただし毎回の水分補給がジュースになってしまうと、糖分過多になってしまうので注意が必要です。
Q8 解熱後、いつ登園・登校していい?
基本的には、解熱して24時間以上が経過し、元気に過ごせれていれば登園可能です。感染症によっては別途制限があるため、園や学校の規定や医師の指示に従いましょう。
Q9. 熱の測り方と頻度は?
自宅で体温を測る際、わきの下(腋窩)で測るのが最も正確です。測りすぎはストレスになるため、4〜6時間おきを目安に測ってください。
Q10. 発熱中の過ごし方は?
必ずしも布団に入って寝る必要はありませんが、体を動かさずにできる遊びをするなど安静にして過ごしましょう。また、外出は受診以外は控えましょう。
Q11. ただの風邪なのか、インフルエンザや他の感染症なのかを見分ける方法は?
インフルエンザの場合、以下の特徴が見られます。
- 突然の高熱(38℃以上)
- 全身の倦怠感や筋肉痛
- 咳や鼻水が急に出現
Q12. 発疹や嘔吐の症状がある場合は?
軽い場合は様子見でOKですが、以下のような場合は、夜間でも早急な受診が必要です。
- 発疹が突然広範囲に現れ、紫色の点状出血(出血斑)のような特徴がある
- 痛みや腫れを伴い、発疹が水ぶくれや壊死に進行している(皮膚が紫色や黒色に変化)
- 意識の低下やけいれんが見られる。
- 激しい腹痛や頭痛を伴う
- 繰り返す嘔吐で、水分を摂取してもすぐ吐いてしまう
Q13. 救急車を呼ぶべき症状は?
救急車を呼ぶべきかどうかは、体温ではなく、子どもの様子で判断します。呼吸困難、けいれんが止まらない、意識がもうろうとしている場合はすぐに救急車を呼びましょう。
Q14. 何日以上続いたら深刻な病気を疑うべきですか?
3日以上の発熱が続く場合は医療機関を受診しましょう。5日以上の発熱が続く場合は、深刻な病気の可能性があるため、より詳細な検査を受けた方がよいでしょう。
子どもの発熱に関しては、こちらもご参照ください。
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