突発性発疹症
突発性発疹は、乳児に多く、高い熱が3〜4日続いたあとに解熱とともに発疹が出ることがある感染症です。発疹が出たことだけで安心せず、水分、呼吸、顔色、機嫌を確認し、いつもと違う様子があれば受診してください。
初めてのけいれん、5分以上続くけいれん、意識が戻らない、呼吸が苦しそうな場合は救急対応が必要です。登園は解熱後の全身状態を見て判断します。
突発性発疹は、初めての高熱が3〜4日続き、下がると同時に体に発疹が出る病気です。発疹が出れば治りかけで、多くは経過観察で治ります。
受診の目安:熱性けいれん、水分が取れない、機嫌が極端に悪い、発疹が出ても熱が下がらないときは受診してください。
突発性発疹は、6ヶ月から3歳のお子さんがかかりやすいウイルス性の疾患で、特に6~18ヶ月の乳幼児に多く見られます。原因となるウイルスはヒトヘルペスウイルス6型(HHV-6)と7型(HHV-7)で、発熱と解熱前後の発疹が特徴的です。季節に関係なく、どの時期でも発症する可能性があります。
症状
主な症状には、以下のようなものがあります。
- 突然発熱する(38℃以上)
- 発熱が3~4日持続する
- のどが赤く腫れる
- 軟便や下痢症状
- 解熱前後に胸やお腹に発疹が出る
- お子さんが不機嫌になる
まれに、熱性けいれんを引き起こすこともあります。
重篤な合併症として脳炎や脳症、劇症肝炎、血小板減少性紫斑病があり、注意が必要です。
感染経路
突発性発疹は経口感染により広がります。
具体的には、感染者の唾液中に含まれるウイルスが飛沫や接触を通じて子どもに感染します。
診断と検査
以下の症状に基づいて診断します。
- 3~4日持続する発熱
- 解熱後に現れる発疹
軽症の場合、特別な検査は不要ですが、重篤な合併症が疑われる場合には原因ウイルスの特定や、他の疾患の除外検査が行われます。
治療
基本的に対症療法が中心で、解熱剤や整腸剤を使用します。
また、水分補給が重要になります。
受診の目安
突発性発疹の多くは自然に回復しますが、次のような症状が見られた場合は、すぐに受診してください(夜間・休日は救急外来)。
- 意識がぼんやりしている
- けいれん
- 顔色が悪い
- 水分や栄養の摂取ができない
- 尿が全く出ない場合 など
特に意識がぼんやりしていたりけいれんが起きている場合には脳炎や脳症が疑われるため、緊急の対応が必要です。
保育園・幼稚園への登園
解熱後に発疹が出るころには感染力が低下しているため、体調や機嫌に問題がなければ登園は可能ですが、事前に施設に確認することが大切です。
自治体や施設によっては登園許可証が必要になることもあります。
突発性発疹は特別な治療を要することなく多くのお子さんが回復しますが、重篤な合併症には十分注意が必要です。家庭での水分補給や栄養摂取が重要で、異常が見られた場合には速やかに医療機関を受診しましょう。
関連する病気・症状
よくあるご質問
Q. どんな経過をたどりますか?
38℃以上の発熱が3〜4日持続し、解熱前後に胸やお腹に発疹が出るのが特徴です。
Q. 何歳がかかりやすいですか?
6ヶ月から3歳のお子さんがかかりやすく、特に6〜18ヶ月の乳幼児に多く見られます。
高熱の数だけでなく、機嫌と水分を確認する
突発性発疹は、生後6か月から2歳ごろに多く、高い熱が続くわりに機嫌が保たれることもあります。ただし、熱が高いから突発性発疹、解熱後の発疹だから突発性発疹、と家庭だけで決めることはできません。熱が出た時刻、最高体温、授乳・食事量、尿の回数、発疹が出た場所と広がりを記録して受診時に伝えましょう。
解熱後の発疹は体幹から広がることがあります。発疹があっても呼吸、水分、意識、顔色がいつもどおりかを見ます。紫色で押しても色が消えない発疹、水ぶくれ、強い腫れ、急に広がる発疹は別の病気のこともあるため、早めの診察が必要です。
受診の目安を3段階で考える
- 当日中に受診を考えたいとき:高熱が続いて飲めない、尿が少ない、発疹の原因が分からない、いつもより不機嫌であやしても落ち着かない場合。
- 翌診療日までに相談したいとき:熱が下がっても発疹が続く、咳・下痢・耳を痛がるなど別の症状がある、登園の時期に迷う場合。
- 救急の相談が必要なとき:初めてのけいれん、5分以上続くけいれん、けいれん後に意識が戻らない、呼吸が苦しい、ぐったりして反応が弱い場合。
けいれんが起きたときと回復後の過ごし方
けいれんが起きたら、口に物や指を入れず、吐いたものがあれば顔を横に向けて時間を計ります。衣服をゆるめ、落ち着いて呼吸と顔色を見ます。初めて、長く続く、繰り返す、意識の戻りが悪い場合は救急要請を検討します。動画を撮る余裕があれば診察の参考になることがありますが、安全の観察を優先してください。
解熱して発疹が出た後でも、食事や水分がとれ、機嫌と睡眠が戻るまで無理をさせません。登園は熱がなく全身状態がよいことが目安ですが、園のルールや流行状況も確認します。家族では手洗いを続け、食器や歯ブラシの共用を避けます。
診察前にまとめておきたいこと
突発性発疹では熱の経過が診断の大切な手がかりです。発熱が始まった日、最高体温、解熱剤を使った時刻、飲めた量、尿の回数、けいれんや嘔吐の有無、発疹が最初に出た場所を記録します。発疹は明るい場所で写真に残すと、受診時に消えていても経過を共有しやすくなります。ただし、写真を撮ることより、呼びかけに応じるか、呼吸は普段どおりか、水分がとれているかの確認を優先してください。
突発性発疹の時期は、看病する家族も睡眠不足になりがちです。交代できる方がいれば休息を取り、夜間に迷ったら、症状の変化をメモして地域の救急相談や医療機関に相談してください。解熱後も急に普段どおりの生活へ戻すのではなく、食事と水分、睡眠、機嫌が安定してから徐々に戻します。
熱が下がった後も確認すること
突発性発疹では、解熱後に少し不機嫌になることがあります。発疹が消える早さには個人差があるため、色だけで判断せず、飲水、尿、睡眠、遊ぶ元気が戻るかを見ます。発熱が再び続く、発疹が水ぶくれになる、強い咳や下痢が加わるときは、突発性発疹以外の病気も考えて再診を相談してください。
症状の強さは同じ病気でも年齢や体格で異なります。家庭で判断に迷うときは、熱の数字だけにとらわれず、飲めた量、尿、呼吸、顔色、呼びかけへの反応を確認して、心配な変化があれば医療機関へ相談してください。受診の際には、いつから・どのように変わったかを伝えると、必要な検査や治療の判断につながります。
(こころみ医学『突発性発疹の症状や受診の目安』
https://cocoromi-cl.jp/knowledge/pediatrics/all-season/sudden-exanthema/)
Q. 発疹が出たら熱はもう上がりませんか?
突発性発疹では解熱とともに発疹が出ることが典型ですが、ほかの感染症では経過が異なることがあります。心配な症状があれば受診してください。
Q. 発疹はかゆいですか?
強いかゆみは目立たないことが多いですが、つらそうなときや別の発疹が疑われるときは診察を受けてください。
参考文献
- 日本小児科学会:突発性発疹 — 典型的な症状と登園の考え方。
- こどもの救急:けいれん — けいれん時の受診判断補助。
- 国立健康危機管理研究機構 感染症情報 — 感染症の基礎情報。
