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花粉症

花粉症とは、スギやヒノキなどの植物の花粉が原因で起こるアレルギー性疾患で、「季節性アレルギー性鼻炎」とも呼ばれます。従来は大人に多いとされていましたが、近年では子どもにもみられます。

特にスギ花粉症は日本で最も多くみられるタイプで、2月〜4月頃に症状が強く出るのが特徴です。主にくしゃみ、鼻水、鼻づまり、目や皮膚のかゆみなどのつらいアレルギー症状を引き起こし、日常生活に支障をきたすこともあります。

原因

花粉症は、体の免疫システムが花粉を異物と誤認し、過剰に反応することで発症します。花粉を吸い込むことで体内にIgE抗体が作られ、以降、花粉との接触によりアレルギー反応が起こります。

主な原因となる植物には、以下のものがあげられます。

  • スギ・ヒノキ(2~4月頃がピーク)
  • イネ科(4~6月頃がピーク)
  • ブタクサやヨモギ(8~10月頃がピーク)

症状

子どもの花粉症では、以下のような症状が現れます。

  • 鼻の症状:くしゃみ、鼻水(透明でサラサラ)、鼻づまり。鼻をすする、こする仕草が頻繁に見られます。
  • 目の症状:目のかゆみ、充血、涙目。目をこすることによって角膜に傷がついてしまう場合もあります。
  • 皮膚のかゆみ:まぶたや顔のかゆみを訴えることがあります。
  • 集中力の低下:鼻づまりや目の不快感が原因で、学習や日常生活に支障をきたすこともあります。
  • 睡眠障害:夜間の鼻づまりによって寝つきが悪くなったり、熟睡できないこともあります。

子どもの花粉症も、くしゃみや鼻づまりなど大人と同様につらい症状に悩まされます。小さい子どもはこれらの症状を言葉で伝えるのが難しいため、子どもの様子の変化に気をつけてください。

日常生活に支障をきたすだけでなく、勉強や睡眠にも影響することがあります。また、副鼻腔炎などを伴うこともあるため、症状が続く場合は医師へ相談してください。

予防・対策

日常生活の中でできる花粉症対策には、次のようなものがあります

外出時の工夫

マスクやメガネ、帽子を着用し、花粉が顔や目に入らないようにする。
花粉飛散の多い時間帯(昼前後と夕方)の外出を避ける。

花粉を室内に持ち込まない

花粉が付きにくく、露出の少ない服装を心がける。外出後は服をよく払ってから家に入り、洗顔・うがいを徹底する。

室内の花粉対策

窓の開閉を最小限にし、空気清浄機を使う。洗濯物や布団の外干しは控える。

鼻洗浄や目の洗浄

鼻は鼻洗浄専用の生理食塩水製剤、目は人工涙液などを用いて花粉を洗い流す方法があります。医師・薬剤師の説明や製品の使用方法に従ってください。

治療

子どもの花粉症治療には、以下の方法があります。

薬物療法

抗ヒスタミン薬(内服薬)、点鼻薬、点眼薬それぞれを組み合わせて使用し、花粉による症状を抑えます。子どもの年齢や症状に合わせて、眠気の少ない薬が処方されることが多いです。

アレルゲン免疫療法(舌下免疫療法)

アレルゲン(花粉の成分)が含まれた薬剤を少量ずつ継続的に投与し、アレルギー症状の軽減を目指す治療です。数年にわたる継続が必要で、効果には個人差があります。対象となる製剤、年齢、原因アレルゲン、症状、服用を継続できるかなどを確認し、医師が適応を判断します。

抗IgE抗体(注射ゾレア®)

オマリズマブ(ゾレア®)は、IgEの働きを抑える注射薬です。スギ花粉による季節性アレルギー性鼻炎では、12歳以上で、花粉抗原の回避に加え、鼻噴霧用ステロイド薬や抗アレルギー薬による既存治療を行っても症状が十分に抑えられない重症または最重症の方のうち、所定の条件を満たす場合に追加治療として検討されます。体重、治療開始前の血清中総IgE濃度、スギ花粉に対する検査結果などを確認し、医師が適応と投与量を判断します。すべての花粉症の方が対象になる治療ではありません。投与後にショックやアナフィラキシーが起こることがあるため、異常を感じた場合は直ちに医療スタッフへ伝え、指示に従ってください。

舌下免疫療法について

これまでのアレルゲン免疫療法は、医療機関で皮下注射をする「皮下免疫療法」に限られていました。しかし最近では、舌の下で治療薬を保持する「舌下免疫療法」の薬が登場し、自宅で服用できるようになりました。

  • 治療法:通常は1日1回服用します。舌の下に保持する時間などは、製剤ごとの用法と医師の指示に従います。
  • 副作用:口の中のかゆみ・違和感・腫れなどがみられることがあります。まれにショックやアナフィラキシーが起こることがあります。全身のじんましん、のどや唇の腫れ、息苦しさ、繰り返す嘔吐、ふらつき、意識がもうろうとするなどの症状がある場合は服用を中止し、直ちに119番へ連絡してください。その他の症状についても、医師から説明された対応に従ってください。
  • 治療期間:複数年にわたり継続する治療です。具体的な期間は治療経過をみながら医師と相談します。
  • 適応:スギ花粉症またはダニによるアレルギー性鼻炎の診断、製剤ごとの対象年齢、舌下での服用を続けられるかなどを確認して判断します。

効果や治療終了後の持続期間には個人差があり、すべての方に同じ効果が得られるわけではありません。長期間の投薬治療になるため、治療を継続できるかどうかも重要です。
当院での治療の流れや注意点はこちらをご覧ください。

花粉症の注意点

風邪との区別が難しい

花粉症は風邪と似た症状が出るため、区別が難しいことがあります。長引く鼻水やくしゃみ、目のかゆみがある場合は花粉症を疑い、早めに医師に相談しましょう。

早めの対策が重要

花粉が飛び始める前から薬を使い始める「初期治療」が効果的とされています。毎年花粉症の症状が出現する場合は、本格的な飛散開始の前に受診して、医師と相談の上服薬を開始しましょう。

学業や生活への影響

鼻づまりや睡眠不足が集中力低下につながるため、しっかりと症状を管理することが、学校生活の質を保つうえでも重要です。

子どもの花粉症は、日常生活の質を大きく下げてしまうことがありますが、適切な治療と生活環境の工夫により、症状を軽減し快適に過ごすことが可能です。特に初期対応と予防が鍵となるため、季節の変わり目には注意しておきましょう。

当院では舌下免疫療法を行っております。花粉症の症状でお困りのお子さんは、ぜひお気軽にご相談ください。

参考情報

ご相談・ご予約について

当院では、お子さんの花粉症や舌下免疫療法についてご相談いただけます。診療時間をご確認のうえ、Web予約をご利用ください。

お子さんの症状で迷ったら、まずはご相談ください。

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