RSウイルス感染症
RSウイルスは、呼吸器の感染症を引き起こすウイルスで、非常に感染力が強いことが特徴です。1歳までに半数、2歳までにはほとんど全ての子どもが感染します。
RSウイルスは、通常、晩秋から初春にかけて流行しますが、近年では夏季にも流行が見られます。初回の感染では発症することが多いですが、2回目以降は重症化のリスクが低いとされています。
潜伏期間と症状
RSウイルスの潜伏期間は通常2~8日です。
発症時には以下のような症状がみられます。
- 38~39℃の発熱
- 鼻水
- 咳
発症後2~3日で多くは回復しますが、一部の子どもではひどい咳や喘鳴、呼吸困難が現れ、重症化することがあります。重症化は1~3%の子どもに見られ、最悪の場合命に関わることもあります。
RSウイルス感染症に注意が必要な子ども
特に注意が必要なのは、
- 1歳未満(特に生後6か月未満)の乳幼児
- 早産児
- 心臓や肺に基礎疾患がある子ども
- 免疫不全の基礎疾患がある子ども
これらのお子さんは重症化するリスクが高いです。
受診が必要な場合
かぜ症状が数日続き、次のような症状がある場合には、すぐに医療機関を受診する必要があります。
- 急激にぐったりする
- 呼吸がゼーゼー、ヒューヒューとなる
- 顔色や唇の色が悪くなる
- 呼吸の回数が極端に多くなる(1分間に60回以上)
- おしっこの回数や量が極端に少なくなる
感染経路と感染防止対策
RSウイルスは接触感染や飛沫感染によって広がります。したがって手洗いやアルコール消毒、頻繁に触るおもちゃの消毒、咳の症状がある場合のマスク着用が感染予防に有効です。また、生後6ヶ月未満の乳児は、人が多い場所に連れて行かないようにしましょう。
RSウイルスの予防注射
重症化のリスクが高いお子さまには、RSウイルス予防注射(シナジス)が有効で、これを受けることで重症化を防ぐことが期待できます。注射は月1回のペースで行い、特に早産児や心臓、肺に基礎疾患がある子どもに推奨されます。
診断
RSウイルスの診断は、鼻からの検体を採取し、15分ほどで結果が出ます。
- 生後1~2ヶ月の乳児:無呼吸発作のリスクがあるため早期の診断と治療が求められます。
- 基礎疾患がない1歳以上の子ども:診断結果が治療方針に大きな影響を与えないため、積極的な検査は行われません。
治療
RSウイルス感染症には特効薬はなく、治療は主に対症療法です。
- 解熱剤
- 鎮咳薬
- 点滴による水分補給(哺乳できない場合)
- 呼吸困難に対する酸素投与
などが行われます。
自宅療養の場合は、こまめに水分を摂取させ、安静にして保温することが重要です。
RSウイルスは、年齢や基礎疾患によって重症化のリスクが異なります。症状が悪化した場合はすぐに医療機関に相談し、適切な対応を行うことが重要です。
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