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嘔吐・下痢時の水分補給のポイント

小さな子どもがウイルス性胃腸炎などで嘔吐や下痢をすると、脱水症状を起こしやすくなります。子どもは体内の水分割合が高く、水分調整機能も未熟なため、早期からの適切な水分補給が非常に重要です。脱水が進行すると、ショックや多臓器不全のリスクもあります。

嘔吐を引き起こす疾患に関しては、嘔吐のページもご参照ください。

水分補給の方法

水分補給には「経口補水液(ORS)」が最適です。これは体に吸収されやすく、必要な電解質やブドウ糖を含んでいます。お茶や水は吸収率が低く、スポーツドリンクでは電解質が不足しがちです。
経口補水液は市販されていますが、自宅でも以下の材料で作ることができます。

  • 水:1L
  • 砂糖:40g(大さじ4杯+1/2杯)
  • 塩:3g(小さじ1/2杯)
  • レモン果汁:少々(お好みで)

水を沸騰させてから冷ました後に、砂糖と塩を加えてよく混ぜてください。あとはお好みでレモン果汁を加えると、飲みやすくなってカリウムも補給できます。
作った水分は、その日のうちに飲み切りましょう。

嘔吐している時

吐いた直後は水分を与えてもすぐに吐いてしまうため、30分ほどあけてから、スプーン1杯(約5ml)を5分ごとに少量ずつ与えます。ボトルごと渡すと飲みすぎてしまうため、大人が与えるようにしましょう。

下痢している時

嘔吐よりも下痢の方が脱水のリスクが高いため、積極的に水分補給を行います。刺激を気にしすぎず、水分補給を優先しましょう。
体重に応じて、3〜4時間のサイクルで以下の量を目安に補給します。

  • 体重5kg:250〜500ml
  • 体重10kg:500〜1000ml

冷たい水や柑橘系ジュース、炭酸、乳製品は胃腸に刺激を与えてしまうので避けましょう。常温の水分を与えてください。うどんの出汁や味噌汁の上澄みでも代用可能です。
症状が改善してきたら経口補水液を与えるのは止めて、やわらかい食べ物や通常の水分に移行させてください。経口補水液は、電解質が脱水時に必要なものに特化しているため、飲みすぎると体に悪影響が出ます。
母乳とミルク(人工乳)は、どちらも与えて問題ありません。母乳は一度に多く飲みがちなので、搾乳して少量ずつスプーンやスポイトで与えるなど、量の調整が必要です。ミルクは通常の濃さでOKです。

受診するタイミング

以下のような場合は、脱水が進んでいる可能性があるため、小児科の受診が必要です。

  • 嘔吐が続く
  • 1日5回以上の下痢
  • 半日以上尿が出ない
  • 泣いても涙が出ない
  • 唇や口の乾燥
  • ぐったりして元気がない
  • 熱が38℃以上ある
  • 水分を受け付けない など

まとめ

子どもは嘔吐や下痢によって簡単に脱水になってしまうため、経口補水液などで少量ずつ水分を補給することが大切です。症状が改善したら通常の水分ややわらかい食事に戻し、症状が重いときはためらわず受診しましょう。

【お気軽にご相談ください】

恵比寿こどもクリニックでは、小児科専門医・アレルギー専門医の保科しほ院長を中心に、『共育て』をモットーに診療を行っています。日々子育てに悩むご両親と同じ目線で、お子さんの病気や健康の問題に向き合うことはもちろん、ご両親の支援にも積極的に取り組んでいます。

より良い医療を追求するために、東京と神奈川を中心にコミュニティ・クリニックを展開している医療法人社団こころみから、運営サポートを受けています。

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(こころみ医学『嘔吐や下痢をしたときの水分の取り方』
https://cocoromi-cl.jp/knowledge/pediatrics/pediatrics-symptom/dehydration/

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