熱性けいれんとは

熱性けいれんとは、以下の3つに該当するけいれん発作を指します。

• 生後6か月から5歳までの子どもが発熱（38℃以上）した際に起こる
• 感染症や代謝異常など、明らかなけいれん発作の原因が認められない
• これまで熱性けいれん以外のけいれん発作を起こしたことがない

日本では発症率が7～11％であり、欧米よりも高くなっています。

熱性けいれんの症状

熱性けいれんの症状には、以下のようなものがあります。

• 突然の意識喪失
• 白目をむく
• 体が硬直する
• 手足の震え
• 顔色が悪くなる　など

多くの場合、けいれんは5分以内に自然に収束します。

熱性けいれんの分類

熱性けいれんは、単純型と複雑型の2種類に分類されます。

• 単純型：複雑性の特徴に該当しないもので、特別な検査や治療は必要ありません。
• 複雑型：焦点発作（脳の一部のみで起こる発作）、15分以上持続する発作、または一度の発熱で複数回の発作が起こる場合

熱性けいれんの対処法

子どもが熱性けいれんを起こした場合、落ち着いて以下の対応をとってください。

• 子どもを安全な場所に寝かせる
• 顔や体を横向きにする（嘔吐による窒息を防ぐため）
• 発作の持続時間や症状（目の向きなど）を観察し、記録する

初めてけいれんが起きた場合は、発作時間に関わらず医療機関を受診することが推奨されます。
熱性けいれんを引き起こした際に、舌を噛まないようにと口に物を入れることや、人工呼吸を行うことは危険なので、絶対に避けてください。嘔吐物が体内で詰まり、窒息する可能性があります。

救急車を呼ぶべき目安

以下のような状態を「重積状態」と呼びますが、 これらの症状が見られる場合は救急車を呼んでください。

• けいれんが5分以上持続する
• けいれんが複数回起こり、その間脳機能が回復しない

けいれんの持続時間の目安としては、5分が治療開始を考慮すべき、30分が長期的な後遺症に注意が必要な時間とされています。
長期的な後遺症を残さないためにも、救急車を呼んで早急に医療機関を受診させましょう。

熱性けいれんの診断と検査

診断にあたって、以下の検査を行います。

• 髄液検査
• 採血検査
• 東部MRI検査
• 脳波検査　など

これらによって他の重大な疾患を除外します。

治療

再発のリスクが高い場合は、予防としてジアゼパム（ダイアップ）を使用することがありますが、薬には副反応もあり、医師の判断が重要です。

予防接種について

熱性けいれんを経験した子どもにも予防接種は可能であり、感染症予防のメリットがリスクを上回ります。接種当日の体調を考慮し、けいれんから2～3ヶ月後に予防接種を受けることが推奨されます。

まとめ

熱性けいれんは生命に関わることは少なく、適切な対応によって安全を確保できます。けいれんが5分以上続く場合や再発が繰り返される場合には、医師の指導を仰ぎ、必要に応じて予防や治療が行われます。

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