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腹痛

子どもの腹痛は、軽度なものから緊急を要するものまでさまざまです。​特に急性腹症は放置すると命に関わるリスクがあるため、早期の判断と対応が重要です。​そのため、緊急性が高く早急に治療するべき腹痛なのかどうかを見分けることがとても重要です。
この記事では、子どもによくある腹痛を主症状とする疾患の中のうち、頻度の高い疾患、緊急性の高い疾患を中心に解説していきます。

急性腹症

各疾患の解説の前に、見逃してはいけない急性腹症について解説します。
急性腹症の特徴には、以下のような症状があげられます。

  • 突然の強い腹痛:痛みが一時的に和らぐこともありますが、また強まることもあります。
  • 吐き気、嘔吐、発熱、下痢などの症状を伴うことが多い
  • お腹を押すと痛みが強くなり、手を離すとさらに痛みが増す。
  • お腹を触ると張って硬い感じがする

これらは腹膜炎や敗血症、腸管壊死など、命に関わる重大な異常のサインです。​このような症状が見られたら、すぐに病院を受診しましょう。

急性腹症の原因となる疾患

急性腹症の原因となる疾患には、以下のようなものがあります。

1. 急性虫垂炎(盲腸炎)

右下腹部の激しい痛みが特徴で、みぞおちから右下腹部に痛みが移動することがあります。​放置すると虫垂が破れて細菌がお腹の中に入り、腹膜炎や腸閉塞を引き起こすリスクが高まります。​
炎症の程度によっては、絶食と抗生剤投与で保存的に様子を見ることもありますが、炎症が腹膜に及んでいたり、虫垂が破れている場合は、緊急手術となります。

2. 腸重積

腸の一部が他の腸管に入ってしまうことで発症するもので、特に生後6ヶ月〜2歳の子どもに多く見られます。​突然の激しい腹痛、嘔吐、イチゴゼリー状の血便が特徴です。​腸管壊死や腹膜炎のリスクがあるため、早急な治療が求められます。​
発症から経過が短い場合には、高圧浣腸が行われます。高圧浣腸で腸重積が解除できない場合や、腸が壊死している可能性がある場合は、外科手術が必要になります。

3. 腸閉塞(イレウス)

腸が詰まったりねじれたりして、食べ物やガスが通れなくなる状態を指します。​急な腹痛、嘔吐、腹部の膨満感、便やガスがでなくなるなどの症状が見られます。胆汁(緑色)の混ざった嘔吐や腹部膨満感が見られる場合には、早急に医療機関を受診しましょう。その場合、病院に行くまでの間に食べ物や飲み物を与えないようにしてください。
治療は、軽度の場合は保存的治療が検討され、絶食や点滴が行われます。症状が重い場合は、高圧浣腸、外科手術のいずれかが検討されます。​

その他の腹痛

1. ウイルス性胃腸炎

ロタウイルスやノロウイルスなどが原因で、腹痛、下痢、吐き気、発熱などの症状が見られます。​多くの場合、特別な治療をしなくても数日で回復しますが、症状を和らげる薬を使うことがあります。​

急性胃腸炎のページもご参照ください。

2. 便秘

生活習慣や食事の偏りが原因で、腹部の膨満感や腹痛、排便困難などの症症状が見られます。​便秘は徐々に進行し、嘔吐を伴わず、腹痛も比較軽度であることが多いです。
水分摂取や食物繊維を含んだ食事、規則正しい生活習慣が予防に効果的です。​また適度な運動や、決まった時間(朝食後など)にトイレに行くといった排便習慣をつけることも有効です。

便秘のページもご参照ください。

3. 機能性腹痛(過敏性腸症候群など)

検査で特に原因が見つからない場合、ストレスや不安、生活習慣が関係していることがあります。
リラックスできる環境を整え、規則正しい生活や十分な睡眠、適度な運動が症状の改善に役立ちます。​子どもが不安になると、腹痛の再燃や悪化の可能性があるので、優しくサポートしながら症状が落ち着くまで見守りましょう。

まとめ

子どもの腹痛には様々な原因がありますが、急性腹症のように緊急を要する場合もあります。​症状を見逃さず、早期に適切な対応をすることが重要です。​不安な場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

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(こころみ医学『子どもの腹痛』
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