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臍ヘルニア(でべそ)

臍(さい)ヘルニアとは、いわゆる「でべそ」の医学的名称で、赤ちゃんのおへそが膨らんで見える状態です。赤ちゃんの5人から10人に1人の割合でみられます。
これはお腹の中の圧力で腸の一部が腹壁を押し出し、へその穴(臍輪)から皮膚の下に飛び出しているために起こります。生後数週間から目立つようになり、通常は成長とともに自然に治癒することが多いですが、医療的介入が必要になる場合もあります。

原因

臍ヘルニアは、胎児期にへその緒(臍帯)を通っていた腹壁の穴が、出生後も完全に閉じきらないことが主な原因です。
出生後に切られたへその緒は約2週間前後で自然に取れて、へその緒の通り道(臍輪)がふさがります。しかし赤ちゃんは腹筋が未発達であるため、臍輪が下がりきらず腸の一部が外にポコンと出てしまう場合があります。これがでべその原因になります。
腹壁の筋肉や皮膚が未熟な新生児や早産児、低体重児で発症しやすい傾向があります。

症状

  • おへその膨らみ:泣いたり、力んだりすると特に目立ち、直径1〜2cm程度に膨らむことが多いです。大きい場合は直径4cm近くになることもあります。
  • 柔らかく押すと戻る:でべその内側は腸が詰まっている状態なので、泣きやんだ時に触ると軟らかいです。指で押し込むと一時的にお腹に戻ります。
  • 痛みや不快感は少ない:通常、赤ちゃんは痛みを感じることはありません。
  • まれに嵌頓(かんとん):腸の一部が戻らなくなり、血流が阻害されて痛みや腫れ、発赤を伴う「嵌頓ヘルニア」になることがありますが、臍ヘルニアでは非常にまれです。

治療

ほとんどの臍ヘルニアは特別な治療をしなくても、腹筋の発育に伴って、80%は1歳頃まで、90%は2歳頃までに自然に治ります。ただし、以下のケースでは医師の判断で治療が検討されます。

  • 1歳を過ぎても閉じない
  • ヘルニアの大きさが直径2.5cm以上
  • 見た目が気になって将来的に美容的配慮が必要な場合

治療法には以下のものがあります。

  • 経過観察:もっとも一般的な対応で、1〜2歳までは自然治癒を期待して様子を見ます。
  • 圧迫療法(おへそテープ):綿球やパッドをおへそに当てて、医療用テープで内側に押し込み圧迫・固定する方法。近年見直されており、自己流で行うのは危険です。医師の指導のもとで行った場合に限られます。
  • 手術:自然に治らない場合や、大きさが著しい場合は、1歳以降に日帰り手術が行われることがあります。ヘルニア門を縫い縮める簡単な手術で、予後も良好です。

自宅での対処法

  • 泣きすぎを防ぐ:泣くと腹圧が高まり、ヘルニアが目立ちやすくなるため、赤ちゃんが過度に泣かないよう配慮します。
  • お腹を圧迫しない衣服:締めつけの少ないベビー服やオムツを選び、腹部を圧迫しないようにしましょう。
  • 自己流の圧迫を避ける:インターネット上ではコインやテープでおへそを押さえる方法が紹介されることがありますが、感染や皮膚炎の原因になるため、必ず医師の指導を受けてから行ってください。

注意点

  • 嵌頓ヘルニアに注意:頻度は低いものの、膨らんだおへそが硬くなり、赤ちゃんが機嫌を悪くしている、嘔吐するなどの症状があれば、すぐに医療機関を受診してください。
  • 皮膚のトラブル:湿疹や炎症を起こしやすいので、清潔に保ち、通気性を良くするよう心がけましょう。
  • 見た目の心配は成長とともに改善:臍ヘルニアが治ったあとも、皮膚が少し余ったりシワが残ることがありますが、多くは時間とともに目立たなくなります。

臍ヘルニア(でべそ)は多くの赤ちゃんに見られる一時的な現象で、ほとんどの場合は自然に治癒します。見た目は気になりますが、痛みや深刻な健康被害はまれです。適切なスキンケアと観察を心がけ、必要に応じて医師に相談しながら見守ることが大切です。気になる場合は、いつでもご相談ください。

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