頭痛
子どもが「頭が痛い」と訴えると心配になりますが、小さな子どもはうまく症状を伝えられないこともあり、保護者の観察が非常に重要です。
特に乳幼児では、以下のサインから頭痛を読み取る必要があります。
- 不機嫌
- 頭を抑える、頭を振る
- 顔をしかめる など
子どもの頭痛は、「命に関わらない一次性頭痛」と「命に関わる可能性のある二次性頭痛」に分類されます。
- 一次性頭痛:片頭痛や緊張型頭痛
- 二次性頭痛:風邪、インフルエンザ、副鼻腔炎、睡眠時無呼吸症候群、髄膜炎、外傷性頭痛 など
以下でそれぞれの頭痛について説明していきます。
片頭痛
小学生高学年から中学生に多く見られ、睡眠不足やストレス、姿勢不良などが誘因となって起こります。
子どもの片頭痛には以下のような特徴がみられます。
- 両側性:頭の両側に痛みを感じることが多い
- 短時間:1~2時間程度
- 頻度は少ないが周期的
- 悪心・嘔吐、光や音への過敏、腹痛などの症状を伴うことがある
- 前兆がないことが多い など
睡眠の見直しや、食品・光・匂いなどの誘因を避けることが予防に役立ちます。
学校で席の配置が変わると症状が軽減したという例もあるので、先生に相談してみるのも良いかもしれません。
緊張型頭痛
片頭痛に次いで多い頭痛で、思春期に多くみられます。
片頭痛と同様に、ストレスや睡眠不足、姿勢不良や長時間のデバイスの使用などが誘因となって起こります。特に首・肩など頭部を支える筋肉の緊張は大きな原因の一つです。
緊張型頭痛には以下のような特徴があります。
- 両側に締め付けられるような鈍い痛み
- 圧迫感や頭重感
- 痛みの程度は軽度から中等度で、日常生活に支障をきたすことは少ない
- 吐き気や嘔吐、光や音への過敏は少ない。
- 一日を通して慢性的にダラダラと続くことが多い
子どもがリフレッシュできる趣味や遊びの時間を設けることや、デバイスを長時間使用しないような工夫が必要です。肩や首の筋肉をほぐすために、適度な運動やストレッチも効果的です。
二次性頭痛の例
風邪・インフルエンザ
発熱や鼻づまりなどの症状とともに現れ、治癒とともに改善することが多い。
発熱についてはこちらもご参照ください。
副鼻腔炎
特に風邪を引いた後に発症しやすく、顔や額の圧迫感を伴う。頭を前に傾けたり、動いたりすると痛みが増すことがある。抗生物質などによる治療が必要。
睡眠時無呼吸症候群
アデノイドや扁桃肥大などが原因となる。大きないびきや朝起きた時の頭痛、日中の眠気が見られることが特徴である。子どもの成長や発達にも影響するため、早期の治療が大切。
髄膜炎
強い頭痛や発熱、首のこわばり、光に対する過敏などの症状が見られ、緊急性が高い。特に乳幼児では、元気がない、哺乳力の低下、大泉門(赤ちゃんの頭頂部にある、頭蓋骨の骨と骨の間の大きな隙間)の膨らみなどもサインとなる。
外傷性頭痛
転倒や打撲の後に発生するが、時間が経ってから症状が出る場合もある。激しい頭痛、嘔吐、意識障害、手足の麻痺などがある場合はすぐに受診を。
医療機関を受診すべきタイミング
頭痛に伴って以下のような症状が見られる場合は、様子を見ずにすぐに医療機関を受診しましょう。
- 意識の混濁やけいれん
- 激しい頭痛や繰り返す嘔吐
- ふらつき、手足の動きの異常
- ぐったりして元気がない
- 発熱と頭痛が同時にある
まとめ
子どもの頭痛の多くは心配のいらないものですが、中には命に関わる危険な疾患が隠れていることもあります。日頃から子どもの様子を観察し、いつもと違うサインがあれば迷わず医療機関を受診することが大切です。生活習慣の見直しやストレスケアも予防に役立ちます。
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