頭痛
子どもの頭痛の多くは緊急ではありませんが、突然の強い頭痛、意識や手足の動きの異常、発熱と首の硬さ、頭を打った後の悪化は、すぐに受診が必要です(夜間・休日は救急外来)。頭痛の頻度や場面を記録すると診察に役立ちます。
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頭痛の記録が診断の助けになります
頭痛が起きた日、時間帯、痛む場所、強さ、持続時間、吐き気、光や音がつらいか、睡眠や食事との関係を記録しましょう。学校を休んだ日、運動や画面を見ることで変わるか、市販薬を使った日も書くと、片頭痛などの一次性頭痛と、ほかの原因を考える材料になります。
子どもでは「お腹が痛い」「疲れた」と表現することもあります。痛みを我慢させるより、静かで暗めの場所で休ませ、水分を少しずつとれるかを見ます。規則的な睡眠、朝食、十分な水分は、頭痛の誘因を減らす生活の土台になります。
救急で確認したい危険なサイン
突然始まった経験のない強い頭痛、頭を打った後に悪化する頭痛、何度も吐く、意識がおかしい、けいれん、片側の手足が動かしにくい、見え方がおかしい、発熱と首の硬さがある場合は救急での評価が必要です。乳幼児で不機嫌が非常に強い、ぐったりしている場合も、すぐに受診します(夜間・休日は救急外来)。
朝方の嘔吐を伴う頭痛、日ごとに強くなる頭痛、性格や歩き方の変化を伴う頭痛は、当日から早めの受診を考えます。診察では神経学的な診察のほか、経過に応じて検査が必要かを判断します。
学校生活との付き合い方
繰り返す頭痛は、欠席や集中のしにくさにつながることがあります。担任や保健室に、休む場所、水分、服薬の取り扱いを共有しておくと安心です。無理に登校を続けるか、すぐに休むかの二択にせず、診療で作った対応方針を学校と共有しましょう。
痛み止めを頻繁に使うと、かえって頭痛が続く薬物乱用頭痛が問題になることがあります。薬の回数が増えてきた場合は、自己調整せずに受診してください。
頭痛は周囲から見えにくい症状です。痛みの強さを0〜10で記録し、休むとどの程度回復するかも残すと、本人の困りごとを家族や学校と共有しやすくなります。痛みがなくなった後も、睡眠不足、朝食を抜いた日、強い光や運動など前後の状況を振り返ると、避けられるきっかけが見つかることがあります。記録は診断を決めるものではなく、診察で一緒に考えるための材料です。
子どもの頭痛の多くはかぜに伴うものか、片頭痛・緊張型頭痛です。睡眠不足・画面時間・水分不足で悪化し、機嫌がよく普段通り遊べていれば心配なものは少ないです。
受診の目安:朝方の頭痛と嘔吐、だんだん強くなる、高熱と首の硬さ、頭を打った後、ものが二重に見える・手足のしびれを伴うときはすぐに受診してください。
子どもが「頭が痛い」と訴えると心配になりますが、小さな子どもはうまく症状を伝えられないこともあり、保護者の観察が非常に重要です。
特に乳幼児では、以下のサインから頭痛を読み取る必要があります。
- 不機嫌
- 頭を抑える、頭を振る
- 顔をしかめる など
子どもの頭痛は、「命に関わらない一次性頭痛」と「命に関わる可能性のある二次性頭痛」に分類されます。
- 一次性頭痛:片頭痛や緊張型頭痛
- 二次性頭痛:風邪、インフルエンザ、副鼻腔炎、睡眠時無呼吸症候群、髄膜炎、外傷性頭痛 など
以下でそれぞれの頭痛について説明していきます。
片頭痛
小学生高学年から中学生に多く見られ、睡眠不足やストレス、姿勢不良などが誘因となって起こります。
子どもの片頭痛には以下のような特徴がみられます。
- 両側性:頭の両側に痛みを感じることが多い
- 持続時間だけで診断しない:小児・青年の片頭痛は通常2〜72時間ですが、年齢や睡眠の影響で短く見えることもあります
- 頻度は少ないが周期的
- 悪心・嘔吐、光や音への過敏、腹痛などの症状を伴うことがある
- 前兆がないことが多い など
睡眠の見直しや、食品・光・匂いなどの誘因を避けることが予防に役立ちます。
学校で席の配置が変わると症状が軽減したという例もあるので、先生に相談してみるのも良いかもしれません。
緊張型頭痛
片頭痛に次いで多い頭痛で、思春期に多くみられます。
片頭痛と同様に、ストレスや睡眠不足、姿勢不良や長時間のデバイスの使用などが誘因となって起こります。特に首・肩など頭部を支える筋肉の緊張は大きな原因の一つです。
緊張型頭痛には以下のような特徴があります。
- 両側に締め付けられるような鈍い痛み
- 圧迫感や頭重感
- 痛みの程度は軽度から中等度で、日常生活に支障をきたすことは少ない
- 吐き気や嘔吐、光や音への過敏は少ない。
- 一日を通して慢性的にダラダラと続くことが多い
子どもがリフレッシュできる趣味や遊びの時間を設けることや、デバイスを長時間使用しないような工夫が必要です。肩や首の筋肉をほぐすために、適度な運動やストレッチも効果的です。
二次性頭痛の例
風邪・インフルエンザ
発熱や鼻づまりなどの症状とともに現れ、治癒とともに改善することが多い。
発熱についてはこちらもご参照ください。
副鼻腔炎
風邪の後に顔や額の圧迫感を伴うことがあります。急性副鼻腔炎の多くはウイルス性で、抗菌薬が必要かは症状の持続、いったん改善後の悪化、重症度をみて医師が判断します。
睡眠時無呼吸症候群
アデノイドや扁桃肥大などが原因となる。大きないびきや朝起きた時の頭痛、日中の眠気が見られることが特徴である。子どもの成長や発達にも影響するため、早期の治療が大切。
髄膜炎
強い頭痛や発熱、首のこわばり、光に対する過敏などの症状が見られ、緊急性が高い。特に乳幼児では、元気がない、哺乳力の低下、大泉門(赤ちゃんの頭頂部にある、頭蓋骨の骨と骨の間の大きな隙間)の膨らみなどもサインとなる。
外傷性頭痛
転倒や打撲の後に発生するが、時間が経ってから症状が出る場合もある。激しい頭痛、嘔吐、意識障害、手足の麻痺などがある場合はすぐに受診を。
医療機関を受診すべきタイミング
頭痛に伴って以下のような症状が見られる場合は、すぐに受診しましょう(夜間・休日は救急外来)。
- 意識の混濁やけいれん
- 激しい頭痛や繰り返す嘔吐
- ふらつき、手足の動きの異常
- ぐったりして元気がない
- 発熱と頭痛が同時にある
まとめ
子どもの頭痛の多くは心配のいらないものですが、中には命に関わる危険な疾患が隠れていることもあります。日頃から子どもの様子を観察し、いつもと違うサインがあれば迷わず医療機関を受診することが大切です。生活習慣の見直しやストレスケアも予防に役立ちます。
関連する病気・症状
よくあるご質問
Q. すぐに受診すべき頭痛はどんなときですか?
意識の混濁やけいれん、激しい頭痛や繰り返す嘔吐、ふらつきや手足の動きの異常、ぐったりして元気がない、発熱と頭痛が同時にある場合は、すぐに受診してください(夜間・休日は救急外来)。
Q. 小さい子どもの頭痛はどう気づけますか?
小さなお子さんはうまく症状を伝えられないことがあります。不機嫌、頭を抑える・振る、顔をしかめるといったサインから頭痛を読み取ることが大切です。
Q. 子どもの片頭痛にはどんな特徴がありますか?
子どもの片頭痛は両側性のこともあり、吐き気、光や音を嫌がる、休むと改善することが手がかりです。持続時間だけで決めず、繰り返し方と神経症状を診察で確認します。
(こころみ医学『子どもの頭痛』
https://cocoromi-cl.jp/knowledge/pediatrics/pediatrics-symptom/headache/)
Q. 学校を休むほど頭が痛いときは?
繰り返して生活や登校に支障がある頭痛は、早めに相談しましょう。痛む時刻、場所、吐き気や光・音のつらさ、薬を使った日を記録すると役立ちます。
参考文献
- Migraine in Children and Adolescents — 小児片頭痛の症状、持続時間、治療。
- ICHD-3:Migraine without aura — 小児の片頭痛発作時間と特徴。
- 頭痛の診療ガイドライン2021 — 危険な二次性頭痛と治療。
